先日あるファミリーレストランを利用した際、最近そのお店では現金で支払う人が3割以下だという話をうかがいました。スマートフォンの普及や多様なサービスの増加に加え、コロナ禍の影響も少なからずあるのでしょう。それでも、想像していたより現金使用の割合がずっと少なくて驚きました。

「今」というのは、常に“当たり前”が変化する渦中にあります。

 新聞を開けば毎日のようにDX化やSDGsなどといったワードが登場する昨今。

弊社も、オンライン内見やIT重説の活用、映像・CGで物件をより明確に伝えられるよう取り組むなど、「今できる事」・「今すべき事」は何か、日々考えながら変化に努めているところです。

特に、昨年から始めました「売主様の仲介手数料無料」には大きな反響をいただいております。

一般的な不動産売買では「物件価格×３％＋消費税」といった額が売主様・買主様それぞれに掛かるところ、売主様からはいただかないという取り組みです。（もちろん、その分買主様の負担が増えたりはしませんのでご安心ください）

これは単なる期間限定のお得なキャンペーンというものではなく、今後不動産業界はこうあるべきではないかという私達の考えによるものです。

不動産の売却のご相談をいただく際に、時々、一括査定をしてもらったことがあるというお話を聞くことがあります。最近はそういった広告もよく見掛けますね。自動車の一括査定サービスと同様に、依頼を行った途端、我先にと各社から連絡があるようです。

査定書も、実は業界内では住所を入力するだけでポンとAIの計算による査定額が算出されるサービスも出回っており、実に便利な時代になりました。

では、不動産は車と同じでしょうか。

車と同様に相場というものがあり、土地の広さ、築年数、路線価、確かに一定の条件からみた価値を計算することはできるでしょう。

しかし、不動産はひとつとして同じものは存在しません。

エリアの坪単価を話題にされるお客様もいらっしゃいます。

ですが、同じ路線価のエリアであっても、方角は？前面道路の状況は？周辺環境は？そして、地域の将来性は？

私達は一括査定に加わることも、AIによる便利な査定書作りも行っていません。

ここならいくらという絶対的な価値はありませんので、あらゆる相対性を考慮して、新たな価値についても柔軟に発想を展開した上で、売り出し価格のご提案をさせていただいております。

そして、お客様のご状況をうかがいながら、ベストな道を一緒に探したいと思っています。

便利な時代です。

デジタル化により、昔では考えられないほどスピーディーに、手間なく、わかりやすく物事を進められるようになりましたし、私達もミーティングをする度に、何かもっと新しいことを取り入れられないか、変われないかと頭を悩ませています。

だからこそ、「一本筋の通った変化」であるよう気を付けています。

これからの時代、きっと様々な場面でAIが助けてくれます。

パッと査定額を出してくれるかもしれません。お探しの条件にマッチする物件をスッと差し出してくれるかもしれません。およそ大きく外れることなく、示してくれるようになるでしょう。

そんな時代の中で、人が人のために共に考えて、調べて、想像し、背中を押して差し上げる仕事は、より特別な意味をもつはず。

デジタル技術は駆使しながらも、あなたにお願いしてよかった、と感じていただけるプロでいられるよう、これからも精進してまいります。